こんにちは古紙幣旧札の買取査定ナビです。今回は昭和17年12月8日に発行された靖国50銭札(政府紙幣50銭)の中で価値が高いものについて詳しく見ていきたいと思います。

この紙幣は戦前のものですが発行枚数、現存数が多いため、普通品の価値はあまり高くありません。しかし、エラー札や見本紙幣が発見されており、それらでは高価買取が期待できます。

靖国50銭札(政府紙幣50銭紙幣)の詳細

靖国50銭札

昭和17年から昭和20年にかけて発行された靖国50銭紙幣です。表面には靖国神社、裏面には高千穂峰が描かれており、寸法は65mm×105mm、製造枚数は戦前の前期が1,060,000,000枚、戦後の後期が891,600,000枚となっています。

発行時期が太平洋戦争から戦後の混乱期だったこともあり、紙幣の質はあまり高くなく、エラー札や見本紙幣なども存在します。

また、戦前(前期)と戦後(後期)で文言などのデザインが若干異なり戦前は「大日本帝国政府」と書かれているのに対し戦後は「日本帝国政府」に変更されました。

靖国50銭札(政府紙幣50銭紙幣)のカタログ価格

靖国50銭紙幣のカタログ価格は米国のものでは前期後期の見本紙幣も含め細かに分類が行われています(前期は戦前、後期は戦後です)。

年号 美品 未使用
昭和17年 1USD 8USD
昭和18年 0.75USD 2.5USD
昭和19年 0.75USD 3.5USD
昭和20年 0.75USD 4USD
前期 見本 75USD
前期 SPECIMEN 100USD
後期 見本 250USD
後期 SPECIMEN 500USD
年号 美品 未使用
昭和17年 600円 2500円
昭和18年 150円 600円
昭和19年 250円 1000円
昭和20年 100円 500円

靖国50銭札(政府紙幣50銭紙幣)の買取価格

私が調べた靖国50銭紙幣の実勢価格(業者が販売し実際に市場で取引された値段)や買取相場は下記のようになっております。

古紙幣詳細 実勢価格 買取相場
後期 見本 完全未使用 4.9万円 〜3.9万円
後期 SPECIMEN 完全未使用 215USD 〜1.7万円
前期 見本 準未使用 79USD 〜0.6万円
昭和17年 88組 ゾロ目 準未使用 1万円 〜0.7万円
昭和17年 90組 未使用− 0.3万円 〜0.15万円
昭和17年 1組 未使用− 0.3万円 〜0.15万円

見本紙幣(SPECIMEN)の価値は高くなっており、後期については1万円を超える買取も期待できます。

一方、普通品では価値が最も高い昭和17年でも実勢価格はそれほど高くなく、ゾロ目などを除くと1500円程度が買取価格の上限となっています。

なお、下記のようなエラー札については他の古紙幣と同様に価値が高く、高価買取になるものも存在します。

福耳エラー札

福耳エラー札

靖国50銭札の福耳エラーはあまり発見されていません。画像は前期(昭和18年)の50銭紙幣で表面左下に福耳が付いています。価値は高く2013年に約8万円で取引されました。そのため、同様の福耳エラーならば5万円を超えるような高価買取が期待できます。

 

番号漏れエラー

組番号漏れエラー

画像は通常、表面の左上と右下に入る組番号が入っていないエラー札です。こちらは2017年に約3.1万円で取引されているため、同一のエラー札ならば2万円を超える買取が期待できます。

 

お客様1

印刷ずれエラー

画像は上方の余白がほとんどない印刷ずれエラーです。余白が少ないものは印刷ずれの場合と裁断ずれの場合がありますが、画像の紙幣では下方余白が通常よりも大きいため印刷ずれと判断することができます。

この年代の古紙幣では「印刷ずれ」や「裁断ずれ」の頻度は高くなっており、実勢価格は1,000円〜10,000円程度(価値はエラーの大きさによる)、業者による買取価格はそれほど高くありません。

靖国50銭札(政府紙幣50銭)まとめ

いかがだったでしょうか?普通品の靖国50銭札は現存数が多くなっており、価値はあまり高くありません。しかし、見本紙幣やエラー札で価値が高くなっており、高価買取が期待できます。今回の記事が古紙幣の売却や換金の参考になりましたら幸いです。