こんにちは古紙幣旧札の買取査定ナビです。今回は日本の在外銀行券の一つである満洲中央銀行(東三省官銀號)改造拾圓・五圓・壹圓紙幣の価値と相場について記載して行きたいと思います。
大同元年に発行されたこちらの紙幣では満洲中央銀行による発行が間に合わなかったため、中華民国十八年発行の東三省官銀號(号)券に朱印加刷したデザインとなっております。
満洲中央銀行 東三省官銀號10円紙幣の価値
昭和7年(1932年)に発行された満洲中央銀行の10円紙幣です(画像の紙幣は1929年発行の東三省官銀號10円紙幣、満洲中央銀行の改造券10円は朱印加刷で満洲中央銀行と印字されています)。寸法85mm×168mmとなっており希少性が高くカタログ価格は下記の通り高額です。
カタログ種類 | 並品 | 美品 | 未使用 |
---|---|---|---|
米国カタログ | 12万円 | 30万円 | — |
日本カタログ | 5万円 | 10万円 | 20万円 |
現存数が少ないのと、朱印加刷のパターンが複数あることから実際の価値は判りにくく、日本のカタログ価格と米国のカタログ価格に乖離があります(米国のカタログは流通紙幣の価格、日本のカタログは恐らく見本紙幣のカタログ価格です)。
実際に取引されたものは私が調べた限りでは見つかりませんでした。なお、見本紙幣(specimen)も存在しますが見本紙幣は流通紙幣に比べ価値が低くなっています。
満洲中央銀行 東三省官銀號5円紙幣の価値
満洲中央銀行 東三省官銀號5円札は未発行紙幣となっており見本紙幣(Specimen)しか存在しません。日本のカタログや文献では詳細が記載されておらずカタログ価格は存在しませんが米国のカタログで唯一カタログ価格が掲載されておりカタログ価格は「未使用:12万円」となっていますが、市場での取引が皆無なため実際の価値は判りません。
満洲中央銀行 東三省官銀號1円紙幣の価値
昭和7年に発行された満洲中央銀行 東三省官銀號1円紙幣です(画像は完全未使用、上図が流通紙幣、下図が見本紙幣)。画像の様本と描かれた見本紙幣(Specimen)以外に流通紙幣が存在し、カタログ価格は下記の通りです。
カタログ種類 | 並品 | 美品 | 未使用 |
---|---|---|---|
米国カタログ | 4万円 | 10万円 | 30万円 |
日本カタログ | 2万円 | 4万円 | 8万円 |
実勢価格は流通紙幣(様本やSpecimenの文言がない)と見本紙幣で異なり10円札同様、流通紙幣の方が価値が高いです。上記画像の見本紙幣は10万円程度で取引されたことがあります。
また、流通紙幣は完全未使用が米国で30万円程度で取引されており、流通紙幣については米国カタログが参考になります(見本紙幣については日本のカタログ価格程度で取引されています)。
まとめ
いかがだったでしょうか?満洲中央銀行の紙幣は希少性が高いため業者による買取の場合も高額査定が期待できます。今回の記事が古紙幣や旧札の買取査定価格の参考になりましたら幸いです。