こんにちは古紙幣旧札の買取査定ナビです。今回は明治2年から明治5年にかけて発行された会社紙幣(東京為替会社札・大阪為替会社金札・京通商司為替会社銭札・横浜為替会社札など)の価値と買取相場について記載していきたいと思います。
為替会社とは「BANK(銀行)」の訳語で、明治初期に政府主導で設立された金融機関の事です。
豪商や政府からの融資を元に東京・横浜・京都・大阪・神戸・大津・新潟・敦賀の8都市に設立され、一定額面の金貨との交換を約束した金券や銀券、銭券などの紙幣(為替会社札)を発行していました。
東京為替会社金札の価値と買取相場
画像は明治2年に発行された東京為替会社金札です。額面は「金貳拾五両(25両)」「金壹両(1両)」「銀三匁七分五厘」の3種類が存在し、カタログ価格は下記の通りです。
日本のカタログ価格
額面 | 極美品 | 並品 |
---|---|---|
金貳拾五両 | 60万円 | 30万円 |
金壹両 | 12万円 | 6万円 |
銀三匁七分五厘 | 0.8万円 | 0.4万円 |
戦争などで多くの紙幣が消失しているため、どの額面も現存数は少なく、市場に出回ることは多くありません。
私が調べた実勢価格(業者が販売し実際に市場で取引された値段)や買取相場は下記のようになっており、金貳拾五両についてはカタログと同様に価値が高く数十万円での買取も期待できます(2010年から2019年の取引価格を調査)。
詳細 | 実勢価格 | 買取相場 |
---|---|---|
金貳拾五両 極美品 | 30.2万円 | 〜27万円 |
金壹両 美品 | 4.4万円 | 〜3.5万円 |
大阪為替会社金札の価値と買取相場
画像は明治2年9月3日に発行された大阪為替会社金札です。大阪為替会社からは下記の金札、銭札、洋銀預券が発行されています。
日本のカタログ価格
額面 | 極美品 | 並品 |
---|---|---|
洋銀 五拾枚 | — | — |
洋銀 貳拾五枚 | — | — |
金五両 | 30万円 | 15万円 |
金壹両 | 8万円 | 4万円 |
銭壹貫文 | 12万円 | 7万円 |
銭五百文 | 2.5万円 | 1万円 |
銭貳百文 | 1.8万円 | 0.7万円 |
銭百文 | 1.2万円 | 0.5万円 |
洋銀預券(五拾枚・貳拾五枚)については稀少性が高いためカタログ価格は不明です。その他については下記のような金額で取引されており、金五両札になると10万円を超える金額での買取も期待できます。
詳細 | 実勢価格 | 買取相場 |
---|---|---|
金五両 美品+ | 15万円 | 〜12.5万円 |
金壹両 美品 | 3.5万円 | 〜2.7万円 |
金壹貫文 並品+ | 4.7万円 | 〜3.8万円 |
銭貳百文 極美品− | 0.5万円 | 〜0.25万円 |
近年発行された記念硬貨については通常のリサイクルショップなどでも買い取ってもらうことができます。一方、大正以前に発行された旧札や金札、会社紙幣などは専門業者でないと正確な査定は難しいです。そのため、リサイクルショップに古いお金を持っていっても買取不可になったり買取価格が安くなってしまうことが殆どです。
京通商司為替会社銭札の価値と買取相場
画像は明治2年9月8日に発行された京通商司為替会社の銭文札です。京通商司為替会社からは下記の4種類の銭札が発行されました。
日本のカタログ価格
額面 | 極美品 | 並品 |
---|---|---|
銭五百文 | 3万円 | 1.3万円 |
銭貳百文 | 2万円 | 0.8万円 |
銭百文 | 1.5万円 | 0.5万円 |
銭五拾文 | 1万円 | 0.4万円 |
現存数は少なく、歴史的にも稀少なものですが明治通宝以後の古紙幣に比べるとコレクターが少なく、人気がないため実勢価格や買取価格はそれほど高くありません。
詳細 | 実勢価格 | 買取相場 |
---|---|---|
銭五百文 並品 | 1.2万円 | 〜0.8万円 |
銭百文 美品 | 1万円 | 〜0.7万円 |
横浜為替会社札の価値と買取相場
画像は横浜為替会社の$5新洋銀券です。横浜為替会社からは下記のような洋銀券・金札が発行されていますが、珍しいものが多くなっており、カタログ価格が付いていないものが殆どです。
日本のカタログ価格
額面 | 極美品 | 並品 |
---|---|---|
洋銀百枚 | — | — |
洋銀拾枚 | — | — |
1000$ | — | — |
500$ | — | — |
100$ | — | — |
50$ | — | — |
10$ | — | — |
5$ | — | — |
金貳拾五両 | — | — |
金壹両 | 25万円 | 12万円 |
私が調べた実勢価格や買取相場としては画像の新洋銀券5$が2014年に実勢価格44万円で取引されています。状態は劣品程度となっておりますので極美品などだと100万円を超える取引価格になる可能性が高いです。
横浜為替会社は、横浜港での貿易上必要な洋銀券も含め、紙幣を発行するとともに、生糸売込商をはじめとする横浜商人の資金需要にも対応していました。
横浜以外の7つの為替会社は明治初期に解散となりましたが横浜為替会社についてはその後、第二国立銀行となり旧国立銀行券などを発行しています。
会社紙幣の価値まとめ
いかがだったでしょうか?明治初期の会社紙幣は今回取り上げたもの以外に西京為替会社金札・敦賀為替会社金札・大津為替会社金札・彦根為替会社金札・神戸為替会社金札・新潟為替会社金札などが存在します。
額面が低いものの価値はあまり高くありませんが、額面の高いものや洋銀券などは珍しく、状態や売却時期が良ければ100万円を超えるような買取になることもあります。今回の記事が会社紙幣の売却や換金の参考になりましたら幸いです。